見た目で判断してはいけないけれど
ファッションで刺青を入れている人に対して、特に何も思っていなかったし、本人がいいと思っているならそれはそれでOKで他人が意見するものではないと思ってました。
今日までは。
強面、刺青、車椅子の困ってるおじさんと遭遇
ベビーカーに我が子を乗せて歩いていると、強面で、足も腕も刺青の入ったおじさんとすれ違いました。おじさんは足を怪我しているようで、車椅子に乗っていました。
あー、なんかこわい人がいるなと思いつつも、違和感を覚えました。
たぶん、この人困ってるなと。
おじさんは道端に車椅子をとめ、汗だくになりながら杖を出して何かしようとしています。
足も腕も色の入った刺青があって、腕には数珠。ちょっと危なそうな要素がいっぱいで、あまり見ないようにして、すれ違いました。
おじさんは果たして本当に困っているのだろうか
ちょっと歩くと手帳タイプのカバーがされたスマホが落ちてました。私はこういう落とし物は拾うタイプです。
ケースだけが落ちてるのかな〜と開けてみると、そこにはスマホが。それと、パスモとクレカっぽいカードも。
これなかったら困るだろうな〜というものばかりで、少しビビりました。
ここでピンときました。
このスマホ落としたの、あの車椅子のこわいおじさんじゃない???
「これ、あなたのですか?」っておじさんに聞くのこえ〜〜〜〜〜。
とも思ったけども、次の瞬間には「すみませ〜〜ん。スマホ落とされましたか?」と聞いていた。「はい」と言うので、おじさんのところにスマホを持っていこうとして、はたと思いました。
こっちは赤ちゃんをベビーカーに乗せている。もし足の怪我がウソで、車椅子もウソだった場合、おじさんに最も高さが合っているのが我が子。手出されたら、こわすぎる。私に何かあれば我が子も危ない。ベビーカーで全力で逃げるの大変。
ウワ~~~~~。このおじさんの色々がウソだったらやべ~~~~。次の瞬間何されるか分からないな~~~。
と思ったので、我が子を乗せたベビーカーは近づけずに私が手を伸ばす形でスマホを渡しました。
普通に渡せた。
は~よかった。なんもなかったと一安心して目的地に向かって歩き出そうというときに、私は気付きました。
親切リスクと助けたい気持ちに葛藤
「あ~~おじさんの杖が道に倒れちゃってたな~~~車椅子に座った状態で地面まで手を伸ばして杖を拾うの大変だろうな。バランス取れなかったら最悪転倒するな・・・」
自分は結構まわりをぼんやり見ているタイプで、こういう細かいことに気づいちゃうときもある。
迷いました。
またおじさんに近づき「杖拾いますか」と聞くか否か。だって、足の怪我ウソだったら何されるか分からん。
でも、気になったし、気づけたので言ってみました。
「杖、拾いますか」
おじさんは「大丈夫」と言いました。
ま、大丈夫は大丈夫じゃないので「杖、立てておきますね」と言って、自立するタイプの杖を拾いました。
出来事としてはこれだけ。
その場を後にした私はぼんやりと色々と考えてしまいました。
あのスマホ、そもそも本当にあの人のだったのだろうか。
私って結構危ないことしちゃっただろうか。
でも、刺青なかったらここまで警戒していないだろうな・・・・。
見た目で人を判断してはいけないけれど
やっぱり強面の人が刺青していかつかい印象だったら、こわいです。こわそうで危なそうな人が目の前で困っていても、身の安全のために助けないという選択肢を取る人は多いかもしれない。
今回の件で、危険な人は危険な見た目はしていないかもしれないし、そもそも親切心を逆手に取った悪い人かもしれないということも考えなきゃいけないと少し反省した。
ちょっと私は無邪気というか、リスク管理がなっていないというか、子連れで危ないと思ったことを思い切ってやってみるなんていうのは、考えものだという気がしてならなかった。
次にこういうことがあったら、私は手を差し伸べないかもしれない。
そして、刺青おじさんに思いを馳せた。
自分が健康で、自分で自分のことが何でもできる時には問題なかったことも、刺青のように、他人に警戒心を与えてしまう要素があった場合、困った時に見ず知らずの街の人が助けてくれる確率が減ってしまう可能性があるのだと、ちょっと悲しい気持ちになった。
見た目はある程度の判断をさせるものであることは間違いないのだと実感した出来事だった。
今回出会ったおじさんはこわい感じだったけど、ファッション的なタトゥーだったらアクセサリー的だから話は違うかなぁ。
うーん。ちょっと考え方が変わるかもしれない。